
鬱アニメ、トラウマ映画として有名な劇場版アニメのまとめ。劇場の視聴者に多大なトラウマを植えつけた鬱展開の「アニメ映画」。ONE PIECEシリーズで唯一のトラウマ映画『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』、トラウマ映画として名高い『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』や『AKIRA』など。
『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』 トラウマ映画として有名。

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』 普段の『ONE PIECE』からはとても想像出来ないほど、暗く重々しい内容。子供にはキツいトラウマ要素が満載。
アニメ映画『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』は、2005年に公開された人気アドベンチャーアニメ『ONE PIECE』の劇場版第6作。
名リゾート地と謳われるオマツリ島にやって来たルフィたちを待ち受けていたのは、オマツリ男爵が繰り出す地獄の試練だった。ルフィたちは試練に挑む中でチームワークを乱し、仲間割れの危機に陥ってしまう。終盤のトラウマ級の展開と描写によって、ファンに強い印象と与えた。
予告編や、公開前のスタッフインタビューは、明るい作風を匂わせるものだったが、実は普段の『ONE PIECE』からはとても想像出来ないほど、暗く重々しい内容。麦わらの一味が仲たがいを起こし、一時的にではあるがルフィが仲間全員を喪い、クライマックスでは一味ではなく新たな仲間を作って共闘するなど、『ONE PIECE』としては異例の要素ばかりの物語に、細田守独特のタッチで展開されるグロテスクなホラー演出が交錯する、劇場版ワンピースの中でもまさに異色の作品。
オマツリ男爵は、オマツリ島の主。 島を訪れた海賊団に「地獄の試練」という名のアトラクションを仕向ける謎の男。仲間を失った過去から、仲間意識の強い海賊団を嫌い、海賊の仲間割れの様子を見ることを好む。そのため、試練を通して彼らが仲間割れするように策略を巡らせる。
打ちのめされたにもかかわらず仲間を取り戻すために折れない精神力で立ち上がったルフィの渾身のワンパンを喰らい敗北
元はレッドアローズ海賊団の船長。かつて、ゴールド・ロジャーに会った直後、嵐で全ての仲間を失ってしまう。オマツリ島に漂着し悲しみのどん底にいた時リリー・カーネーションに出会い、島に来た人間を生贄にする事で仲間を復活させられることを知る。リリーの力でムチゴロウたちを復活させ、彼らの命を繋ぐため、より強い者を生贄にささげるべく、島をオマツリ島と称し、強い海賊を島におびき寄せるようになる。
リリー・カーネーションは、オマツリ男爵の肩にいる顔の付いた花で、甲高い声で片言の人語を話す。ロビンいわくオマツリ島の固有種。人間を生贄にする事で死者を復活させる事が出来る「死と再生の花」。リリーの力で甦った人間の頭には双葉がついている(ピクミンではない)。リリーが死ぬ時、リリーが甦らせた人間は全て木になってしまう。
普段は可愛らしい姿をしているが、真の姿はとても醜悪。男爵の肩に乗っているのが本体で、島の頂上にある巨大なミミズのようなモノから生贄を食べる。
オマツリ男爵は、オマツリ島に訪れたルフィたちに試練を与え、島の秘密を調べるチョッパーとロビンを襲撃する。その後、チョッパーたちがいなくなったことに怒りを露にしたルフィを追い込み、ルフィ以外をリリーに取り込む。再び立ち向かってきたルフィを返り討ちにし、一度は失意のどん底に叩き落す。ブリーフの援護を受けたルフィの一撃をくらうと、リリーの真の姿を露にさせ、ルフィに無数の矢を浴びせる。しかし、お茶の間パパにリリーを射抜かれ、ルフィの渾身の一撃をくらい敗北した。
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』
アニメ映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』は、1995年秋から1996年春まで放送された同テレビアニメシリーズ、『新世紀エヴァンゲリオン』の第弐拾伍話と最終話をリメイクし、完全新作として上映されたものである。本作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結を迎えた。
キャッチコピーは「だから みんな、死んでしまえばいいのに…」「では、あなたは何故、ココにいるの?」「…ココにいても、いいの?」。
ミサトは戦自隊員の銃撃に遭って負傷し、シンジにEVAで戦うよう言い残して命を落とす。一方、廃人状態だったアスカは目を覚ましEVA弐号機で戦自の部隊を壊滅させるものの、ゼーレが送り込んだEVA量産機9体に倒されてしまう。シンジを乗せ、翼を現したEVA初号機がアスカの元へと飛ぶ。そこでシンジが見たのは、アスカの乗った弐号機が解体され捕食された惨状だった。シンジは絶叫し、精神を崩壊させる。
シンジを乗せたEVA初号機を依代としてサードインパクトが始まる。これによって人類は個体の生命体としての姿を保てなくなり液化して崩れていき、その魂は「黒き月」に集められる。初号機はレイやカヲルの姿をとる巨人(第2使徒リリス)に取り込まれ、シンジはレイとカヲルに再会する。そこでシンジは人類が単体の生命となることを望まず、それぞれの個人がいる従来の世界を望む。
「Komm, süsser Tod」(コム・ジューサー・トートゥ、日: 甘き死よ、来たれ(あまきしよ、きたれ)、英: Come, Sweet Death)は、1997年7月19日に公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の劇中挿入歌。ボーカルはARIANNE。
庵野秀明監督自らが書いた日本語訳の歌詞と英語訳は、一見大きく違うように見えるが、本質は同じことを謳っており、無へと還ろう(It all returns to nothing)というフレーズが何度もリフレインされている。劇中においては人類補完計画発動のシーンで流れる。
(シンジ)誰も分かってくれないんだ。
(レイ)何も分かってなかったのね。
(シンジ)いやなことが何にもない揺らぎのない世界だと思ってたのに。
(レイ)他人も自分と同じだと1人で思い込んでいたのね。
(シンジ)裏切ったな。僕の気持ちを裏切ったんだ!
(レイ)初めから自分の勘違い。勝手な思い込みにすぎないのに。
(シンジ)皆僕を要らないんだ。だから皆死んじゃえ。
(レイ)ではその手は何のためにあるの?
(シンジ)僕がいてもいなくても誰も同じなんだ。何も変わらないだから皆死んじゃえ。
(レイ)ではその心は何のためにあるの?
(シンジ)むしろいない方がいいんだ。だから僕も死んじゃえ。
(レイ)では何故ここにいるの?
(シンジ)ここにいてもいいの?
うっ…うう…うわああああ!
(日向)パイロットの反応が限りなく0に近づいていきます。
(青葉)エヴァシリーズおよびジオフロントE層を通過、なおも上昇中!
(電子音声)現在高度22万キロF層に突入
(日向)エヴァ全機健在!
(青葉)リリスよりのアンチA.T.フィールド更に拡大。物質化されます!
(日向)アンチA.T.フィールド臨界点を突破!
(青葉)ダメです!このままでは個体生命の形を維持できません!
(冬月)ガフの部屋が開く。世界の始まりと終局の扉が遂に開いてしまうか。
(レイたち)世界が悲しみに満ち満ちていく。虚しさが人々を包み込んでいく。孤独が人の心を埋めていくのね。
(日向)うわっあ…あ…!
(ミサト)ふふ…。
(日向)ううっ…。
(ミサト)ん〜…。
(日向)うぁっ。
(青葉)ううっ…ああ…ああっああ!
(冬月)碇お前もユイ君に会えたのか?
(マヤ)A.T.フィールドが…皆のA.T.フィールドが消えていく…これが答えなの?私の求めていた…。はっ。
(リツコ)ふふ…。
(マヤ)先輩…!
(リツコ)マヤ。
(マヤ)先輩…先輩…先輩…先輩!あっ…。
(キール)始まりと終わりは同じところにある。よい。全てはこれでよい。
(レイたち)うふふ…うふふ…。
(ゲンドウ)この時をただひたすら待ち続けていた。ようやく会えたなユイ。俺がそばにいるとシンジを傷つけるだけだ。だから何もしない方がいい。
(ユイ)シンジが怖かったのね。
(ゲンドウ)自分が人から愛されるとは信じられない私にそんな資格は無い。
(カヲル)ただ逃げてるだけなんだ。自分が傷つく前に世界を拒絶している。
(ユイ)人の間にある形もない目にも見えないものが…。
(レイ)怖くて心を閉じるしかなかったのね。
(ゲンドウ)その報いがこのありさまか。すまなかったなシンジ。
(アスカ)嫌い。
(ミサト)誰があなたなんかと勘違いしないで。
(アスカ)あんたのこと好きになるわけないじゃない。もうあっち行ってて。
(マヤ)あっち行ってて!
(アスカ)大っ嫌い。そばに寄らないで。
(ミサト)もうあっち行ってて!
(アスカ)意気地無し
(ミサト)そんなに辛かったらもうやめてもいいのよ。
(レイ)そんなに嫌だったらもう逃げ出してもいいのよ。
(ミサト)楽になりたいんでしょ。安らぎを得たいんでしょ。私と一つになりたいんでしょ。心も体も一つに重ねたいんでしょ。
(アスカ)でもあなたとだけは絶対に死んでも嫌。
初号機はレイやカヲルの姿をとる巨人(第2使徒リリス)に取り込まれ、シンジはレイやカヲルに再会するが、シンジは人類が単体の生命となることを望まず、それぞれが個人として存在する従来の世界を望んだ。リリスは首から血を噴き出して倒れる。気がつくとシンジは赤い海に囲まれた白い砂浜にアスカと2人だけで横たわっていた。
『妖獣都市』
ジャパニーズホラーの鬼才・菊地秀行の人気シリーズ「闇ガード」の第一作「妖獣都市」を切れ味鋭いアクションと実写さながらの演出力で高い評価を得ている鬼才・川尻善昭が映像化。従来のアニメとは一線を画す「大人のアニメ」に仕上がった本作は、1987年4月25日に劇場公開されるやいなや、大いなる熱狂で迎えられ、第五回日本アニメ大賞オリジナルビデオソフト最優秀作品賞を受賞。
人間界と魔界の、不可侵条約締結の鍵となる霊能者ジュゼッペ・マイヤート。
彼を護衛する<闇ガード>滝 蓮三郎は、魔界から派遣された美女・麻紀絵とコンビを組み、奇怪な姿と恐るべき能力で襲いかかる妖獣たちを相手に、死闘を繰り広げる――!
滝 蓮三郎は、人間界側の腕利き闇ガード。普段は中堅電機メーカーのサラリーマンで、社内ではプレイボーイとして知られ、初対面の女性にはスリーサイズを訊ねる。本人いわく「魔界の女の怖ろしさはイヤというほど知っている」。強靭な肉体で体術を繰り出し、小型大砲に匹敵する特製リボルバーを使いこなす。
麻紀絵は、魔界側の闇ガード。人間界ではモデルを職業としているが、完璧すぎる美貌でスポンサーが付かずモデルとしてはまったくの無名。左手の爪を伸ばし剣のように使い、サイキックパワーの使用にも長けている。両世界の共存と平和のために闇ガードとなり、任務には命を懸けている。
蜘蛛女は、Mr.影の部下。瀧の目当ての女性に成りすまして暗殺をもくろむが失敗。滝を執拗に狙う。局部から吐き出す糸は車を横転させるほどの粘度と太さを持つ。
ソープ嬢は、ジュゼッペ・マイヤートを襲った魔界側過激派。マイヤートが入ったソープランドに先回りしていた。肉体を粘土の様に軟化させて触った相手を取り込み生命力を吸収する。しかも乳を吸った相手に分身の魔物を飲み込ませる。
『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』
『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は、2006年4月15日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ14作目。
本物の人間がコンニャクローン技術で作られたクローン人間に襲われて姿を消したり、クローン人間が所々でダンサーや怪物に変身するなど、従来の『クレヨンしんちゃん』の映画にはないホラーでショッキングでサスペンスな描写が続くが、終盤はギャグで締められる。
風間君の母親の顔が怪物に変形する、みっちーの顔が不気味に変形するなど、これまでのクレヨンしんちゃん映画とは思えないそのホラー表現は多くの映画視聴者にトラウマを残した。
ボーちゃんは「そっくりなニセモノが出没し、本物の人間はいつのまにか姿を消してしまう」という“カスカベ都市伝説”を語り一同を怖がらせた。
本物のしんのすけとかすかべ防衛隊のメンバーは公園に集まっていたが、まつざかと上尾が自分達の眼前で捕まったのを目撃したにも関わらず、現状を断固として信じない風間は帰宅。他の隊員も、親たちの様子がおかしければもう一度公園に集まる事を約束して解散する。そして、風間は自宅でニセモノの風間とママに捕まってしまう。
ニセモノの正体はバイオテクノロジーの権威・アミーゴスズキが作り出した「コンニャクローン」という技術によって生み出されたコンニャクを素材とするクローン人間で、この工場で大量のニセモノが生産され、行方不明になっていた本物の人々はアミーゴスズキが放ったコンニャクローン達に捕まっていたのだった。
ひろしも会社で同僚の川口がニセモノに成り代わられていることに気付いていた。帰宅時、ひろしはニセモノの川口と謎の人物達に捕らえられそうになり、必死の思いで逃げ出したが、家に着くともう一人のひろしがしんのすけと入浴していた。
二人のひろしはどちらが本物か証明するために戦いを繰り広げ、最終的に股間の痛さの感じ方で決着がつき正体を見破られたニセモノのひろしは逃げ出した。
野原一家とネネ・マサオ・ボーちゃんは、春日部を脱出して隣町に逃げ込もうと考え、かすかべ山の山道を通って脱出を図るが、その途中でヨシリンやミッチーたちのニセモノに襲われ、ついに捕まってしまう。
近くの小屋に連行されたしんのすけ達は、その中がコンニャク工場であり、ここで生産されているコンニャクこそがニセモノの正体だったことを知る。
『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』
『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』は、1993年3月6日に公開された『ドラゴンボール』シリーズの劇場公開作第11弾である。
本作の敵は"伝説の超サイヤ人"ブロリーとその父パラガス。特にブロリーは、今作後も映画3作(『危険なふたり!超戦士はねむれない』『超戦士撃破!!勝つのはオレだ』『ブロリー(BROLY)』)が作られるほどの人気キャラクターとなる。
ブロリー「俺が化け物……?違う、俺は悪魔だぁ!」
ブロリーは悟空たちを圧倒する。
ベジータが完全に戦意を喪失していたときに発した台詞「もうダメだ…おしまいだぁ…」
ブロリーは、プライドの塊とも言えるベジータでさえ、完全に戦意を喪失し、恐怖のあまりヘタレとなってしまうほどの相手だった。
伝説の超サイヤ人状態ではZ戦士5人を相手に20分近く無双し続け、視聴者にその強大さと残忍さを存分に知らしめた。特に超サイヤ人悟空のかめはめ波を超至近距離からまともに食らった後、濛々と立ち上がる煙の中からまったく動じることなく余裕の笑みを浮かべて現れる場面は、今作屈指のトラウマシーンである。
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は、1978年12月16日に公開されたモンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第1作。
ルパン三世と自らを神と名乗る謎の人物マモーとの、賢者の石を巡る争奪戦を描く。
本作はカリオストロの城と同様、テレビで何度も放送されるが、「ヒステリックにわめくなこのキチガイ!(次元)」「ここは精神病院でもなければ仮装パーテーでもない(マモー)」「それは白痴の,あるいは神の意識に他ならない(マモー)」「君は単に不確定性の産んだ私生児に過ぎない(マモー)」などの現在では放送禁止用語となってしまった単語が数多く使用されているため、テレビ放送時には重要な部分が大きくカットされる。そのため、不当に評価が低く扱われる事も多い。
マモーは、ルパン三世シリーズで最も有名な敵役。一度は次元の銃撃に散るが、その後復活してコロンビアの安宿で休むルパン一行の前に何事も無かったかのように姿を表し、不二子をさらって再びルパンに挑戦状を叩きつける。
次元の銃撃で一度目に死んだマモーも、またルパンとの直接対決で死んだマモーも、どちらもクローン体。

ビン詰めの赤ん坊(現在テレビ未放送) 死んだはずのマモーが、ルパンの前に再度現れたのはクローン人間だから。
マモーのクローンとなる大量の胎児が映し出される場面。あまりにもグロいのでテレビ放送ではカットされている。
マモーの正体は、一万年以上もクローン技術を用いて生きながらえてきた、文字通りの怪人。最終的には脳だけを独立させている。マモーの本体は培養液に浸かった巨大な脳。
ルパン「神様どころか薄汚い化物」
ルパンとの直接対決に敗れた後は自身の脳を乗せたロケットで地球を脱出。遠い宇宙の果てにある「死をも超越した文明」に赴き、そこで完全なる不死を手に入れてから本当の神として再び地球に舞い戻ることを目論むが、ルパンが仕掛けた腕時計型時限爆弾によって脳の入ったカプセルを破壊され、そのまま宇宙空間に放逐されて太陽に向かっていき最期を迎えた。
ルパン「マモー、感謝しな。やっと死ねたんだからよ…」
『火垂るの墓』

『火垂るの墓』 全体主義がまかり通っていた戦時中の悲劇。抑圧的な“全体主義”がまかり通っていた太平洋戦争時の日本で、清太は節子と2人きりの『純粋な家族』を築こうとするが・・・。
映画『火垂るの墓』が、新潮社の製作で1988年(昭和63年)4月16日から東宝系で公開された。制作はスタジオジブリ、監督・脚本は高畑勲。
太平洋戦争時の日本では、お国のために一致団結する抑圧的な“全体主義”がまかり通っていた。清太はそのような全体主義の時代に抗い、社会との関係を断ち切り、閉じた節子と2人きりの『純粋な家族』を築こうとするが・・・清太は節子を死なせてしまう。そして自身も野垂れ死ぬことになってしまう。2人は現代の時代まで成仏せずに迷い続けた。
高畑監督は兄妹だけで小さな家族を作ろうとしている清太に、社会的なつながりをわずらわしく感じる現代の若者との類似性を見だしているということ。しかし、戦時中ではその社会的なつながりを廃して、兄妹だけで生きることは叶わなかった……それこそに悲劇があるとも言えるのです。
原作同様に清太の死が冒頭で描かれ、幽霊になった清太の「僕は死んだ」というナレーションから始まってカットバックしていき、神戸大空襲から清太が死地となる駅構内へ赴くまで原作の構成をほぼ忠実になぞっているが、後半部分の演出、特に節子の死のシーンの描写や、冒頭で現代の三宮駅から過去の三宮駅に切り替わるところやラストで現代の神戸の街のシルエットに繋がる構成などはアニメオリジナルであり、幽霊となった清太が自分が死ぬまでの数ヶ月間を現代まで繰り返し見ている事やこれが心中物であるのが冒頭だけでわかるように緻密に計算されて描かれている。

清太「これ おはじきやろ、ドロップちゃうやんか。」 節子は徐々に栄養失調で弱っていき終戦から7日後の8月22日に短い生涯を閉じた。節子は、死の直前には、おはじきをドロップと思って舐めたり、石を御飯だと勘違いするほど思考力が落ちていた。
高畑自身はこの映画を心中物として描いており「戦争の悲惨さを出すんだったらもっと激しくやらなければおかしいんじゃないか。」と述べている。高畑は、兄妹が2人だけの閉じた家庭生活を築くことには成功するものの、周囲の人々との共生を拒絶して社会生活に失敗していく姿は現代を生きる人々にも通じるものであると解説し、特に高校生から20代の若い世代に共感してもらいたいと語っている。また、「当時は非常に抑圧的な、社会生活の中でも最低最悪の『全体主義』が是とされた時代。清太はそんな全体主義の時代に抗い、節子と2人きりの『純粋な家族』を築こうとするが、そんなことが可能か、可能でないから清太は節子を死なせてしまう。しかし私たちにそれを批判できるでしょうか。我々現代人が心情的に清太に共感しやすいのは時代が逆転したせいなんです。
太平洋戦争時の日本では、お国のために一致団結すること、戦争に懐疑的な者を非国民として非難するなど、抑圧的な“全体主義”がまかり通っていました。清太がお世話になるおばさんの「お国のために働いている人らの弁当と、1日中ブラブラしとるあんたらと、なんでおんなじや思うの」といった言動の数々は、まさに全体主義そのものです。それは正論でもありますし、当時ではなんら特別なことではなく、むしろ寛大なほうであったと言ってもいいのかもしれません。節子と2人だけで壕で暮らそうとする清太の行動は、その全体主義から反旗をひるがえすものとも言い換えられるでしょう。
最後、清太が三宮の駅構内で野垂れ死ぬと、節子の霊が迎えに来ます。てっきり2人は一緒に成仏するのかと思ったら、ラストでは現代の神戸の夜景が映るんです。つまり、彼らは終戦後半世紀が過ぎた今でも、まだ成仏せずに、今でも私達を見つめているということなんですよ。そういう意味では、『火垂るの墓』というのは、オカルトとまではいかないんですけど、ちょっと怖い映画なんですよ。
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』は、1978年8月5日に東映系で公開されたアニメーション映画。地球と白色彗星帝国の戦いを通じ、ヤマト乗組員たちの死が描かれる。
【動画】パイプオルガン 『白色彗星』のテーマ
アニメ史に残る屈指のトラウマ曲。本作の音楽で話題になったのが、パイプオルガンを用いた「白色彗星」のテーマである。迫力もあり恐怖感も満点な曲に仕上げている。
テレザート星に到着した古代たちは、メッセージの発信者であったテレサを救出する。テレサは、白色彗星帝国が宇宙の星々を次々と侵略しており、次に狙っているのが地球であることを告げる。
白色彗星帝国は地球に迫り、最新鋭戦艦アンドロメダを旗艦とした地球艦隊を全滅させる。ヤマトは白色彗星の渦の中心核に波動砲を打ち込む。彗星は火の玉となって炎上するが、その中から巨大な要塞、都市帝国が出現する。
激しい戦闘の中で次々と乗組員たちが戦死していく。古代たちは都市帝国内部に侵入して動力炉を破壊する。

多くの英雄の犠牲を代償に、白色彗星帝国を倒したが・・・なんと!崩壊した都市帝国内部から「超巨大戦艦」が出現する。エネルギーもほとんど尽きているヤマトを嘲笑する「ズォーダー大帝」。絶望の展開。
高笑いするズォーダー大帝「どうだ、わかっただろう。宇宙の絶対者は唯一人、この全能なる私なのだ。命あるものはその血の一滴まで俺のものだ。宇宙は全て我が意志のままにある。私が宇宙の法だ、宇宙の秩序だ。よって当然、地球もこの私のものだ。ムハハハハ、アハハハハハハ。」
古代進「違うっ!!断じて違う!!宇宙は母なのだ。そこで生まれた生命は、全て平等でなければならない!それが宇宙の真理であり、宇宙の愛だっ!お前は間違っている!それでは、宇宙の自由と平和を、消してしまうものなのだ!俺たちは戦う!断固として戦うっ!!」
ある決意を固めた古代は、生き残った数少ない乗組員をヤマトから退艦させ、超巨大戦艦に向けヤマトを発進させる。そこにテレサが現われ、ヤマトとともに超巨大戦艦に向かう。
超巨大戦艦に向かっていく森雪と古代進「雪。やっと二人きりになれたね。君には苦しい思いばかりさせて、ごめんね。これからいつも一緒にいるよ。人間にとって一番大切なものは愛することだ。でも、僕が一番大切なものは君だ。君への愛だ!雪、好きだ。大好きだ。大きな声で言える。雪。僕たちはこの永遠の宇宙の中で、星になって結婚しよう。これが二人の結婚式だ。」
『AKIRA』
『AKIRA』(アキラ)は、大友克洋による日本の漫画。1988年(昭和63年)、アニメ映画化、ゲーム化もされた。
超能力による戦闘や恐怖、近未来の巨大都市の荒廃した有様やその崩壊を描いたSFコミックであり、漫画・映画共に大ヒットした。
島鉄雄(しまてつお)は、超能力を発揮してからは長年の鬱屈が爆発したかのように箍が外れてしまい、気分しだいで殺人も平然と犯す凶暴な人物に変貌してしまった。
鉄雄 「金田ぁぁぁ !!!」
金田 「『さん』をつけろよデコ助野郎 !!!」
劇場版では金田正太郎のレーザーで撃たれた島鉄雄の右腕がSOLの直撃でちぎれ、瓦礫の破片を義手にした事で右腕に激痛が走り苦しむようになる。
最終的にオリンピック会場の決戦で大佐から銃撃1発と金田からレーザー光線3発を右腕に撃たれた事で制御不能となり、やがては膨張する肉塊に変貌し、罪のなかったカオリをも巻き込んで殺害してしまう。
「傷物語」劇場版全三部作
『傷物語』(キズモノガタリ)は、西尾維新による青春怪異小説。時系列的には化物語の「前日譚」となっている。西尾維新アニメプロジェクト第3弾として2016年よりアニメーション映画が全三部作で公開された。
〈I 鉄血篇〉は2016年1月8日、〈II 熱血篇〉は同年8月19日、〈III 冷血篇〉は2017年1月6日に公開された。
阿良々木暦(あららぎ こよみ)は私立直江津高校に通う男子学生。「友達を作ると、人間強度が下がる」という理由で友達を作らずにいたが、羽川翼と出会い友達になる。瀕死の吸血鬼のキスショットを助けたことで、その眷属となってしまう。
意図せず「吸血鬼の眷属」として蘇る。うっかり昼間に外出した暦は太陽光線で火だるまになるがキスショットは我が身が焼かれるのも構わずに暦を救出する。眷属化した暦と力を喪い幼女化したキスショットに助力を申し出て、潜伏先として潰れた学習塾の廃屋を提供したのは忍野メメという謎の男だった。

女吸血鬼「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」 吸血鬼狩りの3人組に敗れ、瀕死の重傷を負っていたところを暦に助けられ、九死に一生を得る。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは瀕死のところを阿良々木暦によって一命を取り留める。傷物語〈I 鉄血篇〉
私立直江津高校に通う「阿良々木暦」(あららぎ こよみ)は高校2年生から3年生に変わる春休みの初め、同級生である羽川翼のパンチラを目撃したことがきっかけで彼女の友達になる。
その日の夜、暦はエロ本を買い出しに出た帰りに、両手両足を失い瀕死の状態にある女吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに遭遇する。恐怖から逃げだそうとするも、みっともなく命乞いするキスショットに「情」が移ってしまい、暦は自らの命と引き換えにキスショットに血を吸わせることで、死に往く運命にあった彼女を助けようとする。
【動画】「傷物語」Ⅲ 冷血篇 Blu-ray&DVD発売告知PV
劇場版『伝説巨神イデオン』

劇場版『伝説巨神イデオン』『THE IDEON 接触篇』・『THE IDEON 発動篇』 有名な全滅エンド。人類とバッフ・クランの双方が滅亡する。主要キャラは凄惨な死を迎え、老若男女問わず徹底した人体破壊描写が行われた。
『伝説巨神イデオン』は、1980年5月に放送開始された日本のテレビアニメである。
1982年7月10日にテレビ版の総集編『THE IDEON 接触篇』と、新作映画『THE IDEON 発動篇』が同時公開、併映され、両篇合わせておよそ3時間にも及ぶ長大な上映時間となった。内容は『接触篇』がテレビ版前半の総集編で、『発動篇』が最終回完全版となっている。
「皆殺しの富野」と呼ばれる監督の作品らしく、キッチン、ギジェほか、キャラクターは凄惨な死を迎え、老若男女問わず徹底した人体破壊描写が行われた。ラストについて富野は「『禁じ手』を使ってしまったのかもしれない」と語っている。

全宇宙の知的生命体が根絶やしになったその瞬間、イデの真の発動が始まった。イデがソロシップとバッフ・クランに殺し合いをさせたのは、両者を滅ぼして、新しい知的生物を生み出すためだった。
『パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)
『パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)は、1997年の日本のアニメ映画。国内でのレイティングはR-15指定、その他ほとんどの国では18禁。
アイドルグループを脱退し、新人女優として活動を始めた霧越未麻(きりごえ みま)は、自分の意向とは裏腹に舞い込む、過激なグラビアやTVドラマの仕事に戸惑いを隠せない。だが、彼女の周囲でその関係者を標的とした殺人事件が次々と発生し始めて――。
内田 守(うちだ まもる)は、屈強なストーカー。コンサート会場の警備アルバイトを務め、未麻に異常なほど執着している。劇中では最後まで名前が明かされなかった。数々の事件の犯人と未麻に疑われ、未麻に問い詰められた際にも自身が犯人であるかのようにほのめかしていた。しかし、実際はルミに利用されていただけだった。未麻を襲撃し、レイプしようとしたが、彼女の反撃に合い気絶する。その後、ルミによって始末された。
未麻のマネージャーのルミは、終盤では狂気を発露させ、未麻に成り代わるべく彼女のアイドル時代の衣装を身にまとって未麻を襲撃する。
ルミは、未麻のマネージャー。元アイドルであるが今は見る影もなく肥満体となっている。未麻を陰ひなたに支え、女優への転身に反対している。実は数々の事件の真犯人。芽が出ることのないままマネージャー業へと転身した過去から未麻にアイドル時代の自分自身を重ね合わせており、自身の描く未麻のイメージを壊した関係者たちに対して、アイスピックを用いて制裁を加えていた。その精神状態は病的な領域に達しており、自分自身が未麻だと思い込むまでになっている。謎のサイト「未麻の部屋」も彼女が未麻になりすまして運営していたものであり、サイトに入り浸っていた内田を利用して犯行を重ねていた。
映画『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』
『ベルセルク・サーガプロジェクト』第1弾として、原作「黄金時代」編を3部作で劇場アニメ化。配給はワーナー・ブラザース映画。アニメ製作はSTUDIO4℃。3作すべて新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開された。
第1作目『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』は2012年2月4日よりロードショー公開。第2作目『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』は2012年6月23日に公開。PG12指定。3部作完結篇『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』は2013年2月1日に公開。R15+指定。
作品の内容上、ストーリーが進展するにつれて過激な描写が増え、それに伴いレイティングも上がっている。
グリフィスの絶望に共鳴したベヘリットの叫びが波動となり現れた、禍々しき異空間。守護天使ゴッド・ハンドが降臨する。
壮麗なまでに凶暴な悪夢が爆ぜ、おびただしい数の使徒が鷹の団の者たちを喰らう。それは、5人目の守護天使の誕生とあらゆる闇が光を凌駕する時代のはじまりだった。
原作読者であればこの「蝕」をそっくりそのまま映像化するのはさすがに無理なのではないかと心配するところなのですが、制作側は「原作に忠実に描く」という方針を守り、原作ファンを納得させるだけの映像を作り上げました。ただ、頑張りすぎてしまったために「大人向きの作品で、極めて刺激の強い性愛描写が見られる」という理由で、映像倫理委員会からR18+指定(18歳以上が鑑賞可)を受けることになりました。特に、性的描写シーンについてR18+相当だと指示を受けたそうです。しかし、R18+指定を受けてしまっては、第一部、第二部(PG12指定=12歳未満の鑑賞には保護者の指導・助言が適当)を見てきた人の中に第三部だけを見られないという人が出てきます。そこで、映像を一切カットすることなく明るさなどを調節することでR15+版として全国興行を行うことになりました。
【動画】映画『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』予告編
国内外で圧倒的人気を誇る三浦建太郎原作の人気漫画「ベルセルク」の「黄金時代」を映画化したダーク・ファンタジー3部作最終章。今では反逆罪で獄中にいる、傭兵(ようへい)軍「鷹の団」のカリスマだったグリフィスの救出から始まる壮絶なクライマックスを描く。今回も黄金時代篇前2作の監督を務めた窪岡俊之がメガホンを取り、アニメ制作を「デトロイト・メタル・シティ」などのSTUDIO4℃が担当。原作のテイストを残しつつ昇華された怒どうのラストに息をのむ。
配給: ワーナー・ブラザース映画
(C) 三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社 / BERSERK FILM PARTNERS
対馬丸~さようなら沖縄

ドキュメンタリーアニメーション映画『対馬丸~さようなら沖縄』 犠牲者は罪もない学童や幼い子、一般人ばかりという、他に類を見ない悲劇。トラウマになってしまうぐらいの衝撃度。
『対馬丸~さようなら沖縄』は、大城立裕による原作、対馬丸製作委員会による製作、シネマワークによるプロデュースの1982年10月24日公開のドキュメンタリーアニメーション映画。上映時間75分。
昭和19年8月22日の夜、鹿児島県の南、悪石島近付で7千トンに近い対馬丸はアメリカ軍の潜水艦の魚雷攻撃をうけて沈没しました。軍の命令で、九州へ疎開する沖縄の人々1661名をのせていましたが、生き残った人は157名だけでした。疎開者のうち800数十名は子どもたちで、その大部分789名が一挙に海に呑まれ、戦争の犠牲となりました。
「これからお前たちを特別に親の元に返す。だが対馬丸の事は絶対に喋ってはならぬ。もし喋れば利敵行為だ。即ちスパイだ。スパイは銃殺刑だ」
戦後も箝口令が敷かれ事件は秘匿されていた。エンドロールで犠牲者のお名前が流れるシーンは涙無しには観られない。
『対馬丸~さようなら沖縄』のダイジェスト
「対馬丸遭難事件」は1661人の乗客のうち、生存者わずか156人という惨事です。犠牲者は罪もない学童や幼い子、一般人ばかりという、他に類をみない悲劇でしたが、戦後まで知らされませんでした。沖縄は太平洋戦争で唯一地上戦が繰り広げられ、多くの市民が犠牲になったところで、人々は「疎開に行くも地獄、残るも地獄」という窮地に立たされていたのです。
陽子が乗る筏に一緒に乗っていた老婆が力尽き筏から落ちる。どこからともなくサメが現れ老婆はエサとなってしまった。あたりの海水が真っ赤に染まるトラウマシーン。
清の母さん「誰にも話さないから母さんにだけは本当のことを話してくれ。対馬丸はどうしたのの?ケンちゃんやイサムちゃんはどうなったの?」
清「……(ふすまに指に垂らした涙で「しんだ」と書く)」
清「母さん、みんな死んじゃった。対馬丸は沈んだんだ。ケンちゃんもイサムちゃんも。みんな死んじゃったんだよ」
関連まとめ


『PSYCHO-PASS サイコパス』の衝撃的なグロシーン・鬱展開すぎるトラウマシーン(キャラ死亡シーン・虐殺や猟奇事件)

ゲーム史に残るトラウマ必至の鬱ゲー②(17作品)

涙腺崩壊!大人でも号泣必至の「泣けるアニメ」24選
